はじめに
このたび、ひとえにホームページ制作を仕事とする初期のゼミ卒業生のご好意のおかげで、人いちばいIT音痴の私も、ホームページを開設し、インターネットの世界にささやかな発信ができるようになりました。
私のこれまでの労働研究の軌跡や内容の一端を紹介させていただくとともに、折にふれて、次のような項目にしたがって短い文章を送ってゆきたいと思います。できるだけ多くの方々、とくに若者たちが、私のような古い世代の「もと教員」の発言も、ときには気楽に読んでくださり、ご意見・ご感想をお寄せいただければしあわせです。
- (1)エッセー──働く人びとの仕事と生活、この時代と社会の諸相にふれて
- (2)「読書ノートから」──最近ひもといて印象に残った良書の紹介と感想
- (3)「この映画を見て!」──大好きな映画のなかから、たとえば今月のベストスリー
今のところ、それぞれについて、ほぼ1~2ヶ月のうちに更新する予定です。もっとも このゆるやかな「ノルマ」も「必達」は「至上命令」ではありません。
とりあえずはじめに、最新刊の拙著、いわば「渾身の書き下ろし長編!」の紹介をさせてください!
*2010.4.10 本ページを公開
*2010.4.20 「私の労働研究」のPDFファイルを追加
*2010.4.22 リンク集に「大阪過労死問題連絡会」を追加
*2010.4.22 「この映画を見て!」紹介の「Weabak:外泊」(ウェバク)のリンク先を変更
*2010.5.18 リンク集に「NPO法人POSSE」を追加
*2010.5.22 5月15日開催のパネルディスカッション報告を掲載
*2010.7.08 「リンク集」に旧友のHP「たそがれの品川宿」追加
*2010.7.10 「エッセイ「私たちの労働・生活・社会」(その3)」を追加
*2010.7.18 「読書ノート」(その3)」を追加
*2010.8.11 「この映画を見て!」(その4)」を追加
*2010.8.11 東欧旅行の写真を追加しました
*2010.8.18 「読書ノート」(その4)」を追加
『働きすぎに斃れて―過労死・過労自殺の語る労働史』(岩波書店)、2010年2月18日
1980年代に社会的に認知されながら今なお足音の絶えない日本の労働世界の宿痾、過労死・過労自殺。本書は、まずなによりも、働きすぎ・働かせすぎによる心身の疲弊から死に誘われたさまざまの職場の労働者50人以上の、細部にわたる体験を掬う鎮魂の物語といえます。しかしそれと同時に、私はそれらの物語のなかに、ふつうの労働者にとっての体験の一般的なあゆみを透視し、ひいては日本の労働者の人間像というものを把握しようと懸命にこころみています。過労死・過労自殺は、働きすぎが臨界にいたる事例ではあれ、それは決して多くの「ハッピー」な労働者には無縁の、特別に不運だった「まじめすぎる」人びとだけの受難ではありません。それは、今なお「ありふれた職場」のできごと、「ブラック会社」で働く若者たちにはとりわけ「あなたにも起こりうること」なのです。
定価3360円ではありますが、とても「お値うち」の価格です。ぜひ、読んで下さい!
Amazon.co.jpの『働きすぎに斃れて――過労死・過労自殺の語る労働史』のページでは、現在5件(7月時点)のカスタマーレビューが掲載されています。著作と併せてご一覧を頂ければ幸いです。
折々の情報欄
(1) 5月15日(土)明治大学リバティータワーで行われた「職場の人権」第2回東京例会(明治大学労働教育メディア研究センター共催):パネルディスカッション「ブラック会社で働く若者たち──周辺的正社員の明日」は、若者を中心とした200名にも及ぶ参加者に恵まれ、大盛会の内に幕を閉じました。働きすぎ正社員と非正規ワーキングプアの相互関連を語る熊沢、調査と労働相談にもとづいて周辺的正社員のしんどさをわかりやすく報告するPOSSEの今野晴貴(以下、敬称略)、若者の労働意識の光と影を犀利に分析する本田由紀、状況の構造的な変革に関するむつかしい戦略を説得的に提起する遠藤公嗣。報告はいずれも充実した内容で、樋口明彦の巧みな整理によるその後の討論もとても活発でした。すべての内容はのちに『「職場の人権」誌に掲載いたしますが、とりあえずご報告します。参加されたみなさん、運営にあたられたみなさん、本当にありがとうございました。※この催しについては毎日新聞5月31日号にも詳しく報道されています。
(2)5月26日~6月、妻とともにユーラシア旅行社のブルガリア・ルーマニア旅行に参加しました。ビザンティン、東方教会の文化が濃厚なヨーロッパの田舎、長い歴史のなかでハプスブルグ家、オスマントルコ、ロシア、そしてソ連などの大国に蹂躙されてきた国々の世界遺産などを堪能でき、とても楽しい旅でした。写真の一端を見て下さいますか。
(3)この間の間遠な仕事:小杉礼子『若者と初期キャリア』の書評執筆。近刊の『日本労働研究雑誌』に掲載予定/6月25日群馬県水上温泉、7月5日鳥取市で講演(いずれも「人権」の文脈で格差社会ニッポンの労働の状況を語る)など。
(4)HPの更新に鋭意努力するほか、当面の予定は次のようです。
・雑誌『POSSE』への連載──「労働者の日常の寄り添いながら日本の労働問題の背景を論じる(編集者)」という企画──の初回執筆
・8月21日、「職場の人権」京都例会、テーマは『働きすぎに斃れて』をめぐって
・ほか9月に講演ふたつ(大阪と京都)
(5)それにしても、参院選の結果にはがっかりしました。民主党政権をもう少し安定させたかったという思いもありますが、なによりも、社民党、共産党が伸びなかったこと、小泉構造改革路線を踏襲するかのような「みんなの党」が大きく台頭したことが憂鬱です。派遣法改正のゆくえも危ぶまれます。労働運動、社会運動の出番です。





